こんにちは、中井由梨子です。
今日からは、何回かに分けて、映画になるまでの『20歳のソウル』をご紹介したいと思います。
2021年の年が明けて、その年の春、映画がクランクインすることが決まりました。
コロナ禍の中、私も久しぶりに東京でのお正月。
1月3日、埼玉に住む姉の家に正月の挨拶をするために向かっていた電車の中で、フッと大義くんの物語を書こう、と思い付きました。
大義くんの物語を書くときにはいつも、何かそっと肩を叩かれるような感覚があるのですが、今回もそうでした。
あの時、多くの学校が2020年からずっとコロナ禍の煽りを受けて学校生活や部活動を制限され続けている中、市船吹奏楽部も前代未聞の危機に晒されていたと思います。
3年生たちの卒部公演である、12月の定期演奏会が延期となっていることは、部員の皆さんにとってもかなりのストレスだったかと思います。
高橋先生は必ず定演を行い、そこで3年生を卒部させたいと考えていました。しかし、コロナに阻まれ続けたその年の3年生たちの活動は、本当に困難を極めていました。
卒部を延期した状態で迎えたお正月。きっと部員の皆さんお一人お一人の中に、複雑な想いがあったことでしょう。
その頃、リモートで活動を続けていた吹部の皆さんが制作していた動画がこちらです。
「Happiness/嵐 By市船吹奏楽部」
(市船吹奏楽部親父会)
そんな彼らの「今」を書いてみよう。
そう思いついた瞬間、私はスマホのメモを開いて書き始めていました。
今の市船に、大義くんが戻ってきたら…という、想定の短編です。
勝手に言葉が次々と浮かんできて、埼玉に到着するまでの約20分の電車の中で、書き終えてしまいました。
『20歳のソウル 2021』
書いてしまって、しばらく電車の中で放心していました。
別にどこに出すあてもなく書いたものだったのですが、大義くんのお母様の桂子さんと、高橋先生にお送りしました。
読んでくださったお母様と高橋先生の共通の感想は
「大義っぽい!」(笑)
私はその言葉で自信をつけて、その物語を友人の俳優たちに朗読してもらうことにしました。
その俳優たちが、映画『20歳のソウル』でもコアスタッフとして活躍してくれたメンバーです。
その頃毎週行っていたLINELIVEで朗読を配信したのですが、YouTubeで今も公開しています。
ぜひご覧ください!
【朗読】「20歳のソウル 2021」mosaique-Tokyo特別編 ―JACO10―
作:中井由梨子
撮影・編集:秋山純
出演:吉木遼(大義)
宮下涼太(僕)
中井由梨子
南翔太
(モザイク東京)
映画『20歳のソウル』誕生秘話、まだまだ続きます。
それでは皆様、またお会いしましょう!
©2022「20歳のソウル」製作委員会