皆さん、こんにちは。
中井由梨子です。
私は今、神戸にいます。
故郷です。
今日は少し連載をお休みして個人的なお話をさせていただきます。しばしお付き合い下さい。
私のキャリアのスタートは、神戸での劇団活動です。18歳で入団し、座付作家・演出家となりました。
その前の高校2年生の時、1995年の1月。阪神淡路大震災を経験。その被災経験を仲間たちと共に震災劇として上演したことがニュースに取り上げられて、全国の方からお手紙をいただきました。
この頃になんとなく演劇の道を志し、大学在学中から劇団で年に2〜3本の新作を発表しながら青春を過ごしました。
上京したのは29歳。自分のキャリアをさらに伸ばすためですが、実際この2年ほど前から口癖のように「私は東京へ行く」と言っていたようで、言霊とは不思議なものですね。笑
東京で劇団中井組を立ち上げ、後に「20歳のソウル」制作担当として船橋のあらゆるロケーションをアレンジした松田好太郎と出会います。
35歳の時劇団活動を休止し、個人的な活動を始めました。ここからの4年間が本当に苦しかった。作家としても演出家としても仕事がまったくなく、アルバイトで週5日を費やしながら「私は何をやってんだろ?」と自己嫌悪に陥る毎日。
もう、演劇の仕事はやめようかな。
そう思いはじめた39歳で秋山監督に出会いました。
本を書く才能が素晴らしい、書きなさい!と勧められてアルバイトをやめ、裸一貫からやり直しを始めた春の日に、浅野大義くんと出会ったのです。
それからの5年は、大義くんに引っ張ってもらい、励まされながら夢中で歩んできました。
映画のメインスタッフとして参加してくれた、俳優たち。宮下涼太、吉木遼、松谷鷹也、橋谷拓玖とも出会いました。
今日スクリーンを観ながら思ったこと。
大義くんは、どこにでもいる、普通の子で、普通の人生を生きていました。しかし、そんな普通の子の人生が、本になり映画になった。
ですから、私たち一人一人の人生だって、本になり映画になりうる、かけがえのない物語なのだ、と。
大義くんの物語は、私の物語。
あなたの、物語。
誰もが人生の主人公であることを、教えてくれる作品なのではないかと強く強く思いました。
故郷の空の下、子供だった頃の私に言ってあげたい。
あなたの人生は、素晴らしいよ。
今日は私の個人的なお話にお付き合いくださりありがとうございました。
20歳のソウル、絶賛公開中です!
どうぞ劇場で、あなたの物語を体験してください。
©2022「20歳のソウル」製作委員会