20歳のソウル
監督の秋山です
宮部のぞみさんは
20歳のソウル撮影当時は
17歳の高校生
メインキャストの中で
最年少でした
撮影に参加していただいた
市船吹奏楽部の皆さんと
同い年
そして
宮部さん自身も
吹奏楽部でトランペット奏者だったこともあり
吹奏楽部の皆さんの中に入った
合同練習でも
すぐに打ち解け
違和感なく溶けこんでくれました
2019年、ミス・ティーン・ジャパンのグランプリ
遠くから見ても
すぐにわかるくらい
華がありますし
トランペットの腕前も素晴らしい
いつも現場で会うと
弾けるような笑顔を見せてくれました
演奏しながらのシーンでも
セリフが飛んだことは
一度もなかったと思います
しかし実は
彼女が演じた
ミナ
という役は
等身大で演じるには
とても難しい役でした
大義くんの
市船吹奏楽部トロンボーン奏者として
青春を謳歌した高校時代を描く上で
鍵を握るひとり
ミナの心の動きを通して語られる
大義くんの姿が
物語の根底を支えています
佐藤浩市さんと
一対一でやりあうシーンもあります
ユッコ役
佐藤美咲さんとの
濃いシーンもありました
きっと
相当なプレッシャーがあったと思います
リハーサルをしない
テストをあまり繰り返さない
20歳のソウルは
そんなスタイルで撮影しましたが
実は
宮部のぞみさんのシーンは
撮影前にリハーサルをしました
ユッコ役の
佐藤美咲さんと一緒に
二人だけのリハーサル
必要なら
何日か繰り返して
リハーサルをするつもりでした
しかし
一回目のリハーサルを見て
気持ちが変わりました
宮部さんは
リハーサル一回目から
ミナ
でした
リハーサルは
一日だけで
残りはキャンセルしてもらいました
彼女に言ったことは
ひとつだけ
「今のまま、自分が感じるままに、演じてください」
自然に演じてください
と
よく耳にしますが
自然など
撮影現場には、ありません
自分を狙う
たくさんのカメラ
見つめる鋭い目
晒される緊張感
そんな極限状況は
決して自然なものではないから
自然に演じて
という
言葉自体が
ナンセンスだと
僕は思います
なので
「自然に演じて欲しい」という言葉は
極力言わないようにしているのですが
どうも
宮部さんには
言ってしまったらしいです
(公式のコメントを読むと)
きっと
最初にミナを演じた姿が
あまりにもイメージ通りだったから
口にしてしまったのかもしれません
作り込めば
逆に
説得力が無くなる
難しい役なのです
宮部さんは
本番でも
期待以上に
市船吹奏楽部副キャプテン
ミナとして
そこに存在してくれました
あれから一年
先日
久しぶりに会ったのですが
18歳になって
大人の魅力も加わり
キラキラした存在感に磨きがかかっていました
ロケ現場では
いつも
明るく元気に
ミナを演じてくれた
宮部さん
僕らには決して見せなかったですが
カメラの前に立つ前は
数えきれないくらい
眠れぬ夜を
過ごしたと思います
クランクアップした時の
ほっとした笑顔が
とても素敵でした
明日は
福本莉子さんについて
モデルになった
宮田愛来さんのインタビューを交えて
書かせていただきます
©2022「20歳のソウル」製作委員会