みなさん、こんにちは。
中井由梨子です。
3月6日に行われた初号試写の後、はじめてゆっくりとお母さまの桂子さんとお会いしました。
朝に降っていた雨も上がり、空からは少し光が射していました。
船橋駅前の珈琲店。
しっとりと落ち着いた雰囲気。
16時に待ち合わせして、入店。
介護士のお仕事をしていらっしゃる桂子さん。
夜勤明けにも関わらず、いつも通りの明るい笑顔で来てくださいました。
瑞々しい苺のケーキに胸を躍らせながら、私たちは堰を切ったようにたくさん、たくさんお話しました。
「闘病中のシーンは、意外と冷静でした。経験済みのことですし、やはり現実のほうが辛かったので…映画のシーンを見ている時は、冷静でした」
「それよりも、一番嬉しかったことは、大義がこんなにキラキラとした、すっごく楽しい高校生活を、送っていたんだなって知ることができたことです。それが何より嬉しかった」
目を潤ませながらそうおっしゃいました。
そうです、この映画が一番伝えたいことは、大義くんが20歳で亡くなった、ということではないのです。
大義くんが、20年という月日を、力一杯、生ききった、ということなんです。
決して死を描く映画ではない。
生を描く映画なのです。
「ラストシーンで、大泣きすると思っていました。でも違いました。温かにじんわりと胸にくる感じで、でもだからこそ、心に強く残る」
とにかく、多くの方に見ていただきたい。
桂子さんは強くおっしゃってくださいました。
それは、ご自身の息子さんの人生の物語だから、という理由ではなく、すべての人がみな、一つずつ持っている、そして一つしかない「命」の物語だから。
「もし、この映画を、青年が若くして亡くなる辛い物語、泣ける物語だと思って敬遠する方がいたら、そうじゃなくて、これは希望の物語です。決して辛く悲しいだけの物語ではないと言いたいです。とにかく、みんな見て!って言いたい(笑)」
変わらない明るい笑顔。
そしてとても客観的な目線で、この映画を高く評価してくださいました。
このインタビューの様子は、後日「後編」として、動画で投稿させていただきます。
お店を出たのは20時。
(店員さんに「閉店ですので」と言われて席を立ちました。笑)
話しても話しても、お話が尽きない。
私と桂子さんは、この5年、いつもこんな感じです。
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