皆さん、こんにちは。
『20歳のソウル』原作・脚本の中井由梨子です。
今日は脚本について少しだけ語りますね!
映画『20歳のソウル』の脚本は、合計20回ほど、書き直ししました。
第1稿、第2稿…と稿を重ねて、最終的に「検討稿」と呼ばれるほぼ完成の状態になったのが第18稿。
この「検討稿」が、最初にメインスタッフや、ご出演をお願いする俳優部の皆さんのところに届くことが多いのです。
そこから少しずつブラッシュアップして、撮影準備に入る時の「準備稿」となり、
そして最終的に撮影に入る時に「決定稿」というものが配られます。
(余談ですが、秋山監督はテレビ朝日時代から、スタッフ用に「割り完本」という台本を配っていたそうです。
これが、撮影準備をするスタッフにとっては神的に役に立つのですが、このお話はまた今度!)
私がいただいた決定稿。
隣に、撮影前に宮田愛来さん(大義くんの元恋人)からいただいたお手紙を添えて持ち歩いていました。
そんな段階を経て完成していく台本ですが、その前に作るのが構成ノート。
台本の設計図です。
今回、私はそのノートに大義くんの写真を貼っていきました。
ご家族や友人の皆さんから提供いただいた写真をコピーさせていただき、場面ごとにつなげてメモをいれ、セリフを考えました。
最初の取材の時、大義くんの写真を見せていただけないかとお願いしたとき、多くの方が「どうぞ!」とたくさんの写真を送ってくださいました。
動画や、SNSの記事を送ってくださる方もいました。
皆さんの「大義のこと、知ってください!」という気持ちが溢れているようで、それだけでも胸が熱くなる体験でした。
そんな構成ノートを、大義役の神尾楓珠さん、斗真役の佐野晶哉さんに見ていただきました。
お二人ともとても静かに、じっと、大義くんの写真と向き合っておられました。
それは「俳優」と「役」という枠を超えて、友人同士の心の会話のようでもありました。
その構成ノートはまたいつの日か、皆様に御覧いただければ嬉しいです。
ちなみに。
私の台本には、宮田愛来さんが書いてくださった名前を貼っていました!
クランクイン前に、秋山組の一人一人に書いてくださったものです。
美しすぎますね。
感謝です。
ちなみに、台本には「通し番号」がついています。
これ、実は縁起担ぎで、監督によってはもらう台本の番号を決めている方もいます。
もちろん、どの番号でも変わらないのですが、少しでも映画を成功に近づけたいという想いが素敵だなと思います。
秋山監督も決まっておられるようです。
小学校6年生の時、難関中学受験に際してお母様が並んでゲットしてくれたという受験番号の
「35」
これが秋山監督のラッキーナンバーで、どの作品でも監督は35番の台本を手に、撮影に編集に、粉骨砕身しておられます。
私は、自分のラッキーナンバーである「9」番をいただきました。
そして、台本の裏表紙にはやっぱりこの人の名前を、愛来さんに書いていただきました。
大義くん、いつもありがとう。
公開まであと4か月。
大義くんからの勇気をスクリーンいっぱいに、皆様にお届けできる日まで、どうぞご一緒にカウントダウンをお願いします!
©2022「20歳のソウル」製作委員会