『20歳のソウル』Production Notes

2022.04.24
最新情報
忘れられないロケの話 その②

20歳のソウル

監督の秋山です

 

昨日の続きです

 

船橋市民ホールの撮影中に

お母様が亡くなり

福島まで車を飛ばした高橋健一先生

 

3日後の

野球場ロケ前夜に帰京して

朝一には

スタンドにいらっしゃいました

 

印象的な雲が空に出た日でした

 

 

先生からいただいた言葉です

 

「私は生まれた時から、この歳になるまで

母に守られ生かされて来たことを

痛感しております

これからは

お空から見守ってくれていると思います」

 

 

野球場のロケは

以前

みやしーが連載したように

とても過酷な撮影でした

 

 

俳優部に加え

市船吹奏楽部

市船ダンス部

市船野球部OBや野球部役の大学生

卒業生の皆様

保護者の皆様

ボランティアエキストラの皆様

 

700人を超える大所帯でした

 

 

スケジュール

最初は3日で考えていましたが

コロナのリスクを考え

全シーンを

1日で撮り切ることを決断

 

幸いにも

晴天に恵まれ

 

我々は

まさに我を忘れて撮り続けました

 

その日の写真をご覧ください

 

 

高橋健一先生は

一枚も写真に写っていません

 

先生は

スタンドの一番上に陣取り

ロケが潤滑に進むように

吹奏楽部だけでなく

市船関係

全ての生徒たちに

指示を出して下さっていたのです

 

 

市船ソウルが演奏される時

スタンドでは

市船独特の

応援の動きがあります

 

吹奏楽部の演奏だけでなく

演奏にからむ何もかもについて

高橋健一先生は

スタンドの一番上から

的確に指示を出し

先生の力をお借りして初めて

我々は

リアルな応援シーンを

撮影することが出来たのです

 

動画1(クリックして再生)

 

 

ロケも終盤に差し掛かり

太陽が

今にも沈もうとする中

 

カメラ班は

グラウンドでスコアボードなどの撮影を続け

 

 

スタンドでは

俳優部と、吹奏楽部の皆さんの

声録りが続いていました

 

その時

高橋健一先生が

みやしーに言ったそうです

 

「みやしー、俳優部に一旦待ってもらい、先に生徒たちの声を録ってくれ」

 

すっかり辺りは暮れていました

 

 

真夏のような日差しは

いつしか無くなり

まだ、肌寒い三月終わり

 

真夏の設定のため

生徒たちの服装は

半袖半ズボンでした

 

僕らは

撮り切ることに必死で

待って下さっている

皆さんの服装まで

気が行き届いていなかったのです

 

いつも

冷静に温かく

生徒たちを思いやる

高橋健一先生

 

 

吹奏楽部やダンス部の

声を録り

 

待ってもらった俳優部の声を録り

 

無事に

3日分を撮り切りました

 

 

先生は

さわやかな笑顔で

球場を後にしました

 

全てが終わったとき

陽は沈み

真っ暗になっていました

 

 

完成した

20歳のソウル

 

野球場シーンは

臨場感あふれる

迫力満点のシーンとなりました

 

 

そのシーンを見るたび

福島から

とんぼ返りして

ロケに立ち会って下さった

高橋健一先生のことを

思います

 

先生

ありがとうございました

 

 

 

 

©2022「20歳のソウル」製作委員会